R5年度前期共通問題解説

全般の傾向

全体として難易度が上がりました。英語は例年通りの難易度でしたが、国語と数学の問題が難しくなり、中位の受験生の実力差が大きく出るような出題でした。国語は現代文の内容が非常に難しく、数学は全てのレベルの問題が難しくなりました。ここ数年、前期選抜の問題が中期選抜よりも難しくなってきています。特に国語と数学でその傾向が強いです。中期よりも倍率も高く問題も難しいので前期選抜はより狭き門になってきました。公立高校を目指すには中期選抜も視野に入れて理科と社会も対策する必要があります。


各教科の解説

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京都府・滋賀県公立高校 入試問題と解答


国語

2020前期選抜から現代文の文章が難しくなって来ました。本年の問題はより一層その傾向が強まりました。

特に大問1の文章が非常に難解でした。絵画とそれを観る人間との関係について述べて、無形のキャンパスから有形の表現が行なわれるという内容の文章です。抽象的な表現が多く使われており、私でも理解が難しい内容です。しかし、小問2、3、6のように漢字や文法の簡単な設問も用意されています。落としてはいけない問題です。文章に関する小問4、5は紛らわしい選択肢を選ぶ設問。記述問題の小問9と合わせて文意の内容をしっかり理解する必要があります。難解な文章を想像力を働かせて理解するのはかなり難度が高いです。また、例年通り助詞や助動詞の意味を問う問題が出題されています(小問7)。

大問2は大問1よりは読みやすい文書でした。大問1よりも論理的な文章で、言語は過去から現在までの人間間の関わりで伝えられると同時に、言語を使う事で新たな社会との関わりが作られる。その関わりの中で新たな意味が作られるという意味で、言語はる社会的な存在であるという内容です。設問も大問1よりは容易です。小問2、4は文法と漢字のやさしい設問です。小問1は比較的簡単な選択肢です。小問7は文章の内容を把握できれば比較的容易ですが、文章の内容をしっかり把握する必要があります。その他の小問も大問1よりはやさしいです。大問2でしっかり得点する必要があります。

大問3の古文は沙石集からの出題でそれほど難しい内容ではありませんでした。現代文が難しいので古文でしっかり点数を固める必要があります。


数学

全体的に難度が上がりました。例年なら中位の受験生が比較的容易に解答できる大問1と大問2の難度が上がったので、中位の受験生の点数の差が大きく出たと思われます。また、前期選抜では証明の記述問題が出題されます。昨年までは簡単な証明を正しく書くことが求められるだけでしたが、本年は証明自体の難度が上がりました。

大問1の小問集合では、小問7の求角の問題で正三角形内部に正五角形を置いた問題が出題されました。平行線間の正五角形は以前に有りましたが、正三角形内部は初めてです。大問2は資料の整理の問題です。小問1はで二元一次方程式の解を連立ではなく、与えられた条件で求める出題です。解き方が分からなかった受験生が出たと思われます。大問1、2でペースを乱して点数を落とした受験生が多かったのではないでしょうか。大問3は、小問1で正四面体の辺の長さを二次方程式を立てて求めるなければなりません。これが求められないと以降の設問が解けません。大問4は、小問1で三角形の面積を求めるのに等積変形が必要でした。小問2は定石的な等積変形が使えない問題です。大問5は2回折り返した平面図形の相似の問題です。折り返しがあるので等しい角を見つけるのに、平行線の錯角・同位角に加えて折り返した部分の角が加わるので難易度が高くなります。そのため小問1の証明の記述問題で証明自体が難しく、証明の文章も従来の2倍以上の分量になります。小問2の辺の長さを求める問題も折り返しによって等しくなる辺を見つける必要があります。また、小問3は相似な三角形の相似比に関する方程式を立てる問題ですが、連立方程式が必要です。一元の二次方程式は以前にも有りましたが、連立方程式は初めてだと思います。大問6の規則性の問題は昨年の中期の問題と同様、比較的容易に解ける問題でした。

全体的な難易度が上がっているので、大問1、2で取れる問題を取りこぼさない事が重要です。また、大問4の図形を与えられた面積に分ける問題で等積変形などの定石が使えない問題が出題されているので、より一層考える力が求められます。


英語

例年通りの難易度でした。

大問1の記述問題は短い文を書く問題ですが、苦手にしている受験生が多いです。場面や文脈に合わせた正しい英文をかけるように、教科書の文章、特に会話表現等を普段からしっかり身につけて下さい。

大問2の会話文は観光用のスマホアプリに関する会話で、語彙も文も容易ですが正解するためには正確に読み取って下さい。

大問3の長文はサンゴと地球温暖化に関するものでしたが、基本的な語彙と文法力があれば比較的容易に読める長文です。特に関係代名詞と接触節(関係代名詞の省略)の入った文章を正確に読めるように練習して下さい。

リスニングセクションに関しては音声を聞かなければ難易度が判断できませんので、教育委員会のホームページで音声が公開されてからコメントしたいと思います。


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